あなたのまわりの小さなともだちについて

あるいは、この如何ともし難い小さき有機体が何を思ふか

白い旗ふりふり集団にご注意ください

あっと言う間に春が来て、世間は大型連休だの黄金週間だのやかましいですね。ゴールデンウィークってあれでしょ、研究室が静かだから普段より実験がはかどる的な意味でしょ。ゴールデンデータ、出ましたか?(出てません!)

さてさて、論文紹介はお休みして(3回目にしてもうお休みとか、やる気のなさが表れててすばらしいですねって褒めるところですよコレは)、今日は先週ちょっくら参加してきた野外調査のことを紹介したいと思います。

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山中に突如現れた、恐怖の白い旗ふりふり集団です。

これ、何をしているかと言いますと、白い旗を地面に這うように移動させると・・・

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こんにちはこんにちは!(はてな挨拶)

旗の上に付いてる黒い点を拡大すると・・・(虫系注意)

はい、マダニですね。20匹ほど採れました(虫系注意)。初心者にしては上出来かな?

そうです、春と言えばマダニが元気になって血を吸いに出てくる季節なのです。今回は、マダニのウイルスを調べてるグループに同行して、野外調査を体験してきたのでした。

マダニ、ウイルス、と言えばつい先日まで話題だったSFTSウイルスですよね*1。この春から全国的にこのウイルスの調査をするという報道がありましたが、地方の衛生研究所の方々が写真のような感じで白い旗をふりふりしているはずです。ご苦労様であります。

世間のウイルス的話題はすっかりH7N9インフルエンザウイルスでもちきりですが、このような地味な調査の結果で、どの場所にいるダニがどういう病原体を保有しているのかということが分かって、注意喚起ができて、誰かが感染することが未然に防げるかもしれないのです。

どこかで白い旗をふりふりしている謎の集団を見かけたら・・・そっと拝むも良し、その場を離れるも良し。ただ、その近くにはマダニがいる可能性が高いので、家に帰ったらすぐにしっかり身体中をチェックしましょう。もちろん、白い旗ふりふり集団に出会わなくても、マダニのいそうな場所に行った場合は、入念にチェックするようにしてくださいね。

(ちなみに、今回の調査から帰ってきて、研究室でシャワーを浴びつつ確認したら2匹ほどTシャツの下から出てきました。いつの間に入ったんだ)

マダニの媒介する感染症については、岡山県のホームページが分かりやすいです*2
ダニが媒介する感染症に注意しましょう。 - 岡山県ホームページ

また、犬を飼っている方はこちらも要チェック。
マダニが犬に引き起こす症状と病気|Life with Pet バイエル薬品株式会社 動物用薬品事業部

打倒クマムシさん!次のブームはマダニだ!という方はこちらをどうぞ。
GIANTmicrobes | Tick (Ixodes scapularis)

*1:今回の写真のダニはフタトゲチマダニ(SFTSウイルスを保有しているとされているマダニ)ではないので、注意していただきたく。

*2:生息するダニの種類や病原体は地方により異なりますので注意