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あなたのまわりの小さなともだちについて

あるいは、この如何ともし難い小さき有機体が何を思ふか

ワクチンに対する免疫応答は見分けられる/犬を飼うと子どもにいいんだってさ

Science DailyはVirologyのフィードだけ購読する派ですが何か。

ほえーっと思った記事が1日に2つもあったので更新しちゃいます。

まずはこちら。
Scientists identify molecular biomarkers of vaccine immunity
元論文。
Molecular signatures of antibody responses derived from a systems biology study of five human vaccines

ワクチンをぶすっと接種された人の身体の中では、ヘルパーT細胞やらB細胞やらが「こりゃやべーもんが侵入してきたぁぁぁあああ」と抗体を作って一生懸命排除しようと努力するんですが、もちろん偽物の侵入者なわけで、本物が侵入してくるときとはまるで勝手が違うわけです。いや勝手が違うとか言われても困りますがな、ちゃんと守ってくださいよ、というのは人間の、それこそ勝手な都合というものです。ワクチンの効果やらを検証するために本物を人間にぶすっと注射するなんてできないので、ワクチンに対する応答というのは昔からじっくり調べられてきた分野であります。

んで、せっかく使える技術やデータも溜まってきたことですし、ここで一発最先端の解析してみましょうかね、というのがこの論文です。2種類の髄膜炎菌ワクチン*1、3種混合不活化インフルエンザウイルスワクチン*2、弱毒インフルエンザウイルス生ワクチン*3、弱毒黄熱ウイルス生ワクチン*4の5つのワクチンに対する応答をごりごりと比べてみましたところ、当たり前っちゃ当たり前ですが共通する応答と、そうでない応答が出てきまして、共通する方はこれからいろんなところで役に立つ指標になるかもねー?みたいな?(ぼんやり)

個々の応答について僕はあまり興味がないのでぼんやりですが、こういった研究から副反応がより少ないワクチンや、より効果のあるワクチンを作る方法、さらには効果がより長持ちするワクチンが生まれてくるかもしれません。こんな研究ができるよーになったんだなーすごいなーと思ったので、紹介しました(ぼんやりのくせに)(がんばれシステム生物学)。
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もう1つはこちら。
How household dogs protect against asthma and infection
元論文。
House dust exposure mediates gut microbiome Lactobacillus enrichment and airway immune defense against allergens and virus infection

犬を飼ってる家庭で育ったこどもは喘息や呼吸器感染症*5に抵抗性があるという、疫学的に言われていたことのメカニズムを解明した論文です。以前にもASMでの発表が話題になったりしているようで、どこかで耳にした方もいるんじゃないでしょうか。この論文では発表当時よりさらに研究を進めたようで、犬由来のハウスダストに触れるとLactobacillus johnsoniiという乳酸菌の一種が腸内フローラで優勢となることが抵抗性に寄与しているところまで示しています。L. johnsonii以外の奴らについては個別に見てないような気がするんですが、どうなんでしょ。人だと、犬飼ってなくてもヨーグルトいっぱい食べる人とかいると思うんですけど、そういう家庭でも喘息少ないのかな?興味はつきませんね。

*1:日本では認可されてないのでおなじみではないですね。

*2:これはグラクソのFluarixか、ノバルティスのFluvirinのようです。

*3:MedImmuneのFluMistです。お鼻にシュッとスプレーするワクチン

*4:イエローカードでおなじみ、YF-17D株です。

*5:ここでRSVを使っているのでVirologyタグが振られている模様